プロ野球のスカウトというと、裏方に徹した地道な仕事だ、、、。今年のドラフト会議で目を引いたのは、広島。何と、チームの命運をかける抽選に、監督ではなく、担当スカウトが臨んだ。その九州担当スカウトの田村氏、球速153キロ、学生NO1の大瀬良投手を見事に引き当てた。何でも、この田村スカウト、「この5年間、(大瀬良投手を)自分が一番見続けてきた。絶対に当たると信じて臨んだ」と言うから、大したもの。引き当てた後は、目にうっすらと涙が浮かんでいた。大瀬良投手も、抽選壇上に登った田村スカウトを見て、引き当ててくれると思ったとか。ところで、この田村スカウトと大瀬良投手の関係をみて、スカウトには、もう一つ重要な仕事があると思った。選手の入団後の、父親代わり、庇護者としての役割だ。極度な競争社会で戦う選手にとっては、なかなか心を許せる人も見つからないはず。そうした中、入団前から交流のあるスカウトは、恰好の相談相手になりえる、、。もっともっと、スカウトに光をあててもいい。
田村スカウトの、力強いガッツポーズと実直な発言。何とも清々しい、気持ちのいいドラフト会議だった。